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研究室
トピックス

造林学研究室

研究テーマ
森林/環境保全
キーワード
多種共存機構 /樹木の生活史 /生物多様性 /森林施業 /樹木の更新 /森林の動態 /沖縄島やんばる /森林管理 /亜熱帯樹木 /繁殖様式 /森林施業 /再森林化技術 /非可食性バイオ燃料としての果実(種子)・葉の生産技術

研究内容

森を造り、森林を育てる科学【造林学】-森林を科学する-森林の力を引き出し、その働きを高める森林科学
亜熱帯島嶼域における森林の維持、再生、そして樹木の生活史や樹木の生命維持メカニズムに関する教育・研究を行っています。

造林学研究室

造林学は森林を造るための科学です。森を造るには森林生態系の正確な知識と生態系を構成する樹木の生活史、樹木生理に関する深い理解が必要です。
開花、結実、種子散布、苗木生産など樹木の繁殖、散布体の定着、次世代の成長、樹木の生活史に関する研究、人工造林地の更新(再森林化),針広混交林の造成などの施業研究を行っています。
造林学研究室は、森林と森林を構成する樹木の生理生態的な働きを解明する研究を行っています。

教員名 谷口 真吾
所属 亜熱帯農林環境科学科  森林環境学
専門分野 造林学 /森林生態学 /樹木繁殖学 /森林施業論 /森林管理学

主な研究内容

1.樹木の生活史に関する研究
亜熱帯沖縄島嶼域に生育する有用広葉樹の開花・結実フェノロジーと送受粉機構・結実機構に関する研究をメインに、樹木の開花から結実までのしくみと種子生産、種子散布の特徴、それらに関連する樹木生理について研究しています。研究で得られた成果は、樹種ごとの種子生産量と種子の散布距離の把握に役立ちます。そして、森林の伐採跡地を早期に森林化するために必要となる種子供給源の効果的な配置等に有益な情報をもたらします。

2.森林生態系に多くの種類の樹種が多くの本数で共存するメカニズムの解明、多種共存機構に関する研究
森林の中で共存する樹種は空間・光・水・土壌栄養分といった同じ資源を利用しながら樹種内あるいは樹種間で互いに競争し共存しています。各樹種が生き延びるために必要な環境資源と生物的資源の組み合わせはニッチと言われます。このニッチは重なりが大きくなると種間が同じ資源を巡って競合するため種間競争が激しくなり、種間の共存は難しくなります。限れた空間に多様な樹種が共存している森林ではその共存メカニズムについて様々な仮説が提唱されてきました。本研究室では、競争する種間のニッチが異なり、共存する樹種が限られた資源を互いに分け合うことで競争が緩和され多樹種が共存できるとするニッチ分割仮説と樹種ごとに生育ステージにおける「成⾧」、「繁殖」、「生存」へ分配する資源の量が異なることで生じる生活史特性のトレードオフの存在が多種の共存を可能とするとする仮説をトレードオフの考え方によって多種共存機構を解明しています。成長に多くの資源を分配する種Aは繁殖や生存に分配する資源が減るため繁殖能力、生存能力が劣り、種Bのように繁殖や生存に多くの資源を分配し、成長能力が劣る種と共存できるとする考え方です。本研究室では、樹種ごとのトレードオフの存在に注目して成長、繁殖、生存に用いる光合成産物の生産に必要な光資源の利用戦略に違いを解明するとともに、沖縄島北部の森林において競争する樹種のニッチに違いが生じるメカニズムの解明のための研究を進めています。

3.森林の伐採と森林再生に関する研究
沖縄島嶼地域では、森林の伐採跡地を放置しておくと、降雨等の影響により、森林の表層土壌が流出します。このため、用材を収穫した伐採跡地はなるべく早期に伐採前の森林に再生しないといけません。早期の森林化には、伐採地周辺に生育する種子供給源からの種子散布が重要な役割を果たします。森林再生あるいは早期の森林化が可能な種子供給源の適正配置や森林化を促進する環境にやさしい伐採搬出法などを研究しています。

学生教育

多種共存機構の解明を進めています

多種共存機構の解明を進めています

林冠ギャップによる林内の光環境の不均質が森林内の更新動態をコントロールします

林冠ギャップによる林内の光環境の不均質が森林内の更新動態をコントロールします

斜面の部位ごとに多種共存機構は異なります

斜面の部位ごとに多種共存機構は異なります

リタートラップで生産された有機物量を測定します

リタートラップで生産された有機物量を測定します

林床の更新実生の動態変化を調査します

林床の更新実生の動態変化を調査します

小面積の帯状伐採による伐区をパッチ状に配置して流域単位での生態系管理を進めます

小面積の帯状伐採による伐区をパッチ状に配置して流域単位での生態系管理を進めます

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