食品化学研究室
食品化学研究室では沖縄の農産物のおいしさと、健康の維持増進に役立つ成分について研究しています。
健康栄養科学コース・教授 和田浩二 (わだ こうじ)
食品機能科学コース・教授 高良健作 (たから けんさく)
健康栄養科学コース・准教授 ヨナタン アシキン (Yonathan Asikin)
サトウキビは本研究室の重要な研究素材です
沖縄の特産物の一つはサトウキビ!砂糖を得るために沖縄で広く栽培されていますが、実は砂糖以外にも様々な二次代謝産物が含まれ、それが濃縮されて黒糖に存在しています.我々はこれらの低分子のフェノール化合物に着目し,その構造解析や分析を行っています.
食品の香りや味について分析しています
パイナップルやシークヮーサーの香気成分を研究しています。食品中の香り成分は濃度が極めて稀薄です。分析機器が高性能でもやはり分析には限界があります.そこで食品からいかに香気成分をたくさん抽出できるかも重要な課題。分析の結果は果物の熟成や加工,あるいは保存中に起こる成分変化の解明に役立ちます.
野菜や果物の食品機能性を評価しています
沖縄県ではトロピカル野菜や果物がたくさんあります.本土と比べると珍しくても、東南アジアや中南米と共通性が高い食材が多いとも言えます。我々は,こうした沖縄で栽培される豊富な野菜や果物の抗酸化性、血圧上昇抑制能などの食品機能性物質の分析や構造解析を行っています.
2023年2月の卒業発表会のタイトル
本研究室の卒業論文発表会の発表タイトルを並べました.
- ジュース加工用パインアップル系統「沖縄22号」の香気特性の解析
- 沖縄産パインアップルのレトロネーザルアロマの評価と解析
- パインアップル一代交配種の香気特性の解析と評価
- 沖縄産パインアップルにおける配糖体由来香気成分の分析
- 南西諸島・台湾在来柑橘の葉における遺伝子型および香気成分の分析
- シークヮーサーと四季甘における物理化学的特性,色素,呈味成分および香気成分の分析
- 国内外の黒砂糖のフェノール化合物と抗酸化活性の解析
- 泡盛中ソトロンのLC-MS/MS定量分析における抽出方法の検討
- キラルHPLCによる泡盛中のソトロンの分離および同定
- 「美らへちま」の真空パック保冷および新規加工品のGABA含量
- ヘチマの調理工程におけるGABA強化方法の検討とレトルト食品を活用した新規ヘチマ料理

パインアップルの新しい品種・系統が次々と誕生しています。それらの香気成分を統計学的に比較し,特徴を説明することができます

ヘチマの未熟果は沖縄では豚肉や豆腐と味噌の炒め煮にして食べます。血圧を下げるGABAが含まれていますが,加工調理法によってはGABAを増やすことができます

泡盛の熟成香の生成についてソトロンと呼ばれる香気物質に着目して研究しています。ソトロンはガスクロマトグラフよりもLC-MS/MSの分析装置で測定したほうが精度が高そうです。