微生物利用学研究室
2014年 3月18日
~亜熱帯微生物を利用した発酵食品の開発と人の健康を考える~
微生物の力を借りて造りだされる発酵飲食品は私たちの食の営みに欠くことのできないものです。長い歴史の中で醸し出される発酵食品は人の健康とおいしさを追求するうえで重要な要素だとおもいます.私たちの研究室では,沖縄の伝統的発酵食品である「とうふよう」を起点に新しい発酵食品の開発をとおして人の健康と食文化を豊かにしたいと考えています.教員名:橘 信二郎(たちばな しんじろう)
所属:亜熱帯生物資源科学科 発酵・生命科学分野
専門分野:応用微生物学、応用酵素学、トキシコゲノミクス
主な研究内容「紅麹菌の生化学と生理機能に関する研究」
紅麹菌は紅色色素を生産する有用食品微生物であり,東南アジア,中国,台湾,沖縄において発酵食品や医薬品の製造に利用されています.わたしたちは紅麹菌の生化学的特性(プロテアーゼ,アミラーゼ,ヌクレアーゼなどの酵素科学的性質)の解明と食品製造への利用,並びに紅麹菌の産生する各種生理活性物質の細胞レベルでの影響を分子生物学的に解明する研究を行っています.
「ピロロキノリンキノン(PQQ)のトキシコゲノミクスに関する研究」
ビタミン様の生理活性を有するPQQは水溶性の生体キノン化合物であり,生体内において抗酸化作用や神経保護作用などが報告されています.わたしたちはPQQが細胞内でどのような遺伝子を発現制御するのかを網羅的に解析し,骨代謝や抗酸化システムにおけるPQQの役割を分子生物学的に明らかにする研究を行っています.
「とうふように関する研究」
とうふようは沖縄のユニークな減塩大豆発酵食品です.わたしたちは,とうふように関する食品科学的特性(熟成機構,おいしさ,健康に寄与する機能性など)について研究しています.最近,とうふように血圧上昇抑制作用を有するペプチドの存在を明らかにしました.
「発酵食品の抗酸化機能に関する研究」
とうふようをはじめとした発酵食品の抗酸化物質の単離・精製を行い,構造を明らかにして細胞レベルでの遺伝子発現制御を解明しています.
- 伝統食品へ戻る >>